筆記試験に合格したら、すぐに実技試験の準備
3回目のチャレンジでやっっと保育士筆記試験に合格しました!!
大仕事をやり遂げたので、ここで祝杯を上げたいところですが、まだまだ気が抜けません。実技試験が残っているのですから。
保育士試験の実技では、音楽・造形・言語の中から受験者が2つを選択するのですが(筆記試験の申込時点で選択)、私は造形と言語を選んでいました。
私は一応美大を卒業しており絵を描くことには多少の自信があったため、まずは言語の準備に取り掛かりました。試験の1ヶ月前頃でした。
言語の試験は、指定されている課題の中から1つを選び、自分でストーリーをを3分にまとめ、暗記します。そして目の前に園児(3歳児)がいることを想定して、身振り手振りを加えながら3分間で素話します。読み聞かせではなく素話であるため、絵本等の道具は使用しません。
育児&家事との両立の難しさ
平日昼間は育児と家事があるため、試験の準備は子供たちが寝た後にやっていました。休日には「試験の準備をしたい」と旦那に言って時間をもらっていました。
残り1ヶ月間しっかり勉強することが、家族にとっても有益であると自分に言い聞かせていました。
しかし昼間ですでに1日の体力のほとんどを消費している状態のため、夜に勉強することは簡単ではなく…。すごくしんどかったです。前期で合格して、勉強の苦しみから解放されたいと思って頑張りました。
先述したように、私は造形の試験にはそこまで時間を割かなくても「まっ、受かるっしょ!」とナメて思っていたので、言語に集中していました。造形は絵を描く・塗るの試験なので、これが苦手だった場合はもっと練習時間をつくらなくてはいけませんでした。
『ももたろう』を選択!まずは台本作り
2024年前期の言語の課題は、
- ももたろう
- おむすびころりん
- 3びきのこぶた
- 3びきのやぎのがらがらどん
の4つです。私は『ももたろう』を選びました。理由は、家に絵本があり台本が作りやすいことと、4つの中で唯一物語を始めから最後まで覚えているからでした。
家にある『ももたろう』の絵本を参考に、物語を3分間で終えられるように省略しながら台本を作ります。注意点としては、3歳児が理解できるような単語・文章で物語を構成しなければいけません。
大まかな台本を作ったところで、お話を終えるまでに何分かかるのか確認します。私は携帯のストップウォッチ機能で確認していました。
物語をだいぶ短くしたつもりでも、なかなか3分に収まりきらず、何度も削りました。さらに物語の要所で身振り手振りを入れていきますが、これで時間が押してしまうため、また物語の中身を削りました。
身振り手振りは、多すぎるとそこに意識が向いて時間が押してしまったり、暗記したストーリーが抜けてしまったりしそうなので、入れすぎないように注意しました。動作については、自分の想像力だけでは厳しいと感じたので、YouTubeで言語『ももたろう』を検索し、参考にさせてもらいました。
『ももたろう』台本
私が作成した『ももたろう』の台本です。
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
ある日、おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。おばあさんが洗濯をしていると、川かみから大きな桃が、どんぶらこどんぶらこと流れてきました。おばあさんは桃を拾って、家に持って帰りました。
おじいさんが山から帰ってくると、おばあさんは包丁で桃を切ろうとしました。そのとたん、桃はぱかんとふたつに割れて、中から元気な男の赤ちゃんが産まれてきました。
「なんて可愛い子だろう!」
おじいさんとおばあさんは、この子にももたろうと名前を付け、育てることにしました。
桃太郎は、どんどんどんどん大きくなりました。そして賢く、村一番の力持ちになりました。
ある日のこと、桃太郎が言いました。
「鬼ヶ島に悪い鬼がいると聞きました。ぼくが行って退治してこようと思います。どうかぼくにきび団子を作ってください。」
おじいさんとおばあさんは、ももたろうにきび団子を作ってやりました。
ももたろうはきび団子を腰に付け、野を越え山越え、歩いていきました。すると、犬が出てきて言いました。
「ももたろうさん、どちらへ。」
「鬼ヶ島へ鬼退治に。」
「それではお腰のきび団子を一つください。お供しますよ。」
犬はももたろうのお供になりました。次に、猿が出てきて言いました。
「ももたろうさん、どちらへ。」
「鬼ヶ島へ鬼退治に。」
「それではお腰のきび団子を一つください。お供しますよ。」
猿はももたろうのお供になりました。今度は、きじが飛んできました。
「ももたろうさん、どちらへ。」
「鬼ヶ島へ鬼退治に。」
「それではお腰のきび団子を一つください。お供しますよ。」
きじはももたろうのお供になりました。
ももたろうと犬と猿ときじは、野を越え山越え歩き、船で海を渡りました。そして、ついに鬼ヶ島にたどり着きました。鬼の城の門は閉じられていましたが、きじが飛んでいって、門の鍵を開けました。
ももたろうは城の中に飛び込みました。犬と猿ときじは鬼と戦い、ももたろうを助けてくれます。鬼たちは、
「痛い痛い。助けてくれえ!」
と悲鳴を上げながら逃げ回っています。桃太郎は鬼の大将に向かっていきました。
「もう悪いことをしないか!」
ももたろうが鬼の大将をねじ伏せると、大将は、
「降参、降参。もう決して悪いことはいたしません。」
と言って、宝物をももたろうに差し出しました。ももたろうは手車いっぱいの宝物を積んで、家に帰りました。ももたろうが無事に帰って来たので、おじいさんとおばあさんは大喜び。いつまでも幸せに暮らしました。
おしまい。
言語の試験で気をつけること
準備時間に限りがあるので、高得点を取るよりも減点されないように気をつけようと情報収集しました。
はじめに題名を言う
試験開始でストップウォッチが押されると、はじめに子供たち(に見立てられたイス)に向かって題名を言わなければいけません。忘れないように、台本に含めておきましょう。
題名を言い忘れると「何点減点される」という明確な答えは見つけることができませんでしたが、「減点対象になりうる」というのが多い意見のようです。
子供たちの方を向いてお話をする
2024年前期試験では、私のイスの前に子供に見立てられたイスが左右に2脚置かれ、その奥に試験官2名が着席していました。
試験では子供たちに向けて素話を行うことがとても重要なので、前の子供たち(イス2脚)の方を、交互に顔を向けながらお話を進めます。その奥では試験官がこちらをじっと見つめているので、かなり気になりますが、試験官の方は見ません。壁と念じましょう。
子供たちの方を見ず、試験官や他の方向を見ながらお話をした場合は減点対象になることが予想されます。
声量を工夫する
3歳児の子供たちに向けて素話を行う設定のため、子供たちが物語に引き込まれるように声量を工夫します。ハキハキと元気な声でお話することはもちろんですが、物語の要所で声量を上げたり、緩急つけると子供たちが飽きずにお話を聞いてくれそうです。
早口に注意
私は普段から早口だと指摘されることが多いので、ここは個人的に一番気をつけていたところです。試験当日は練習よりも緊張するため、より早口になりやすいです。子供たちが聞き取れるように、ゆっくりとお話をします。
たとえ3分以内にお話が終わらないとしても、早口になるよりはマシ!と私は思っていました。
なるべく3分間で話を終える
3分が過ぎストップウォッチが鳴ると、話の途中でも試験終了となります。できれば3分を越えないようにお話を終える方がいいです。しかし時間切れになってしまっても、言語の試験に落ちるというわけではないようです。実際に私は話の途中でストップウォッチが鳴ってしまいましたが、合格しています。
時間を守るために焦って早口で話を終わらせる方が良くないと思い、気をつけていました。
ついに言語の試験当日!
先に終えていた造形の試験から4時間ほどが経っていたので、待ち疲れていました…。眠くなったら軽く目を閉じて休憩し、元気がある時は台本を小声で読んで練習しました。
造形は受験者全員が一斉に試験を受けますが、音楽と造形は1人づつの試験なので、どうしても待ち時間が長くなります。しかも当日にならないと自分の試験時間が分からないので、当日の行動を計画しづらいです。
ランチを買ったり食べたりできるお店が試験会場の近くにあるとは限らないので、事前に購入しておくことをお勧めします。
言語の試験時間が近づき待合室に移動して待っていると、やっと自分の番号が呼ばれました。試験が行われる教室の前で、複数人の受験者と一緒に待機します。待機中に氏名の確認と、試験手順について説明がありました。
ついに自分の番がやってきました。扉をノックして、「失礼致します。」と声掛けし、お辞儀をして教室に入りました。
入ってすぐのところに机があり、自分の受験番号が印刷されたシールが置かれています。机の上に荷物を置き、シールを2枚剥がすと、試験官2名に1枚づつシールを手渡ししました。その際、「お願い致します。」と小さくお辞儀をしながら渡しました。試験なので丁寧に接することが大切と思ったからです。
試験官からイスに着席するように指示がありました。自分のイスの前、数メートル先に子供に見立てられたイスが左右に2脚あり、その奥に試験官が2名座っています。
ストップウォッチの「ピッ」という音が鳴ると始めてくださいと指示がありました。割とすぐにスイッチが押される(汗)。後に人がつかえているものね…。
素話は立って行うこともOKですが、私は着席したままで行いました。
事前に調べておいた注意点を念頭に、お話を進めます。大きな声で、なるべくゆっくり、子供たちの方を交互に見て…。
しかし緊張していたので、細かなミスがありました。言い間違いを訂正してお話したり、なるべく子供たちのイスの方を向いてお話していたのですが、試験官と2回ほど目が合ってしまいました。
そして一番の懸念点が…時間切れです。物語の終盤ではありますが、『ももたろうは手車いっぱいの宝物を…』のところでストップウォッチが鳴ってしまいました。
物語の途中でも3分過ぎてしまえばそこで試験終了のため、「ありがとうございました。」とお辞儀しました。荷物を持ち、「失礼いたします。」とまたお辞儀をして退出。
自分ではかなり練習したつもりだったのでミスをしたり、時間切れになってしまったのは残念でした(涙)。ただ日常生活が多忙な中で頑張った結果だったので仕方がないとも思いました。
結果が出るまでの約1ヶ月間、心配で「保育士試験 言語 時間切れ 結果」等と検索をして、落ち着かない日々を過ごしました。
合格通知が届いた!
ついに試験結果の書かれたハガキが家に到着!実技は50点満点で、30点以上が合格です。
言語の結果は、31点!!
もう合格さえすれば何点でもいいわ。
細かなミスがあったり、3分間で物語を終えることはできなかったけれど、試験の教室内では丁寧な対応を心掛けたり、焦って早口にならないよう気をつけていたのが良かったのかもしれません。
2024年前期、ついに保育士試験合格! 3回目のチャレンジにしてやっと、保育士試験に合格しましたー!! FuFu これまでの苦労が走馬灯のように駆け巡ります(涙)。 2024年に入り3人の子供の育児と家事をしつつ、取[…]
まとめ
私は保育士実技試験で造形と言語を選択し、言語の課題の中では『ももたろう』を選びました。
言語の試験内容は素話で、3歳児の子供たちが自分の目の前にいることを想定して、3分間にまとめた物語を暗記し、身振り手振りを加えながらお話をします。絵本等の道具は使用しません。
言語の試験では、高得点を取ることよりも減点されないようにと、下記の点に注意しました。
- はじめに題名を言う
- 子供たちの方を向いてお話をする
- 声量を工夫する
- 早口に注意
- なるべく3分間で話を終える
試験当日は3分間で物語が終わらず、細かなミスもありましたが、試験の教室内では丁寧に対応したことと、焦って早口で物語を終わらせないように気をつけたことが良かったのか、合格しました。
言語の試験は、時間切れでも他の点でカバーすれば、合格できる可能性は十分あります。