青天の霹靂!長女ちゃんの入院
昨年6月、まだ生後数か月だった長女ちゃんは入院しました。それから1歳になるまでに3回入院しています。(2回目は1回目の入院から退院後に治りきってなさそうとのことで、出戻り入院のような感じでしたが…。)
症状は3回の入院とも、肺炎です。
風邪症状(発熱・咳・鼻水)を和らげる薬をもらうために近所の小児科に行ったところ、吸入薬で治療しても呼吸音がヒューヒューとしていて落ち着かなかったため、総合病院を紹介されました。
すぐにそちらに移動し診察を受け、レントゲン写真を撮影すると、肺には白いもやが映っていました。
低年齢の子供は症状がすぐに悪化する可能性があるとのこと。そのことを想定すると、夜間も病院で管理してもらった方が安心なため、医師の勧めに従い入院することにしました。
低年齢の子供の入院には保護者の付き添い(24時間体制)がほぼ必須!
病院によっては看護師による24時間看護が行われており、付き添い入院は必要とされないケースもあります。
私の住んでいる地域には大型のこども病院が1カ所あり、そこでは(保護者が希望する場合を除いて)付き添い入院は求められませんが、その他の病院では低年齢の子供の入院には保護者の付き添いが必須です。
こども病院での診察が適切と判断された場合は紹介状が出ますが、多くの病気は地域の小児科や総合病院で対応することになると思います。長女ちゃんが罹った肺炎もそれにあたり、入院する際は保護者が付き添う必要がありました。
付き添い入院とは?保護者は何をすればいいの?
入院する患児に保護者が24時間体制で付き添います。病院に宿泊し患児のケアを行うのです。
私にとって付き添い入院は、「病院に看護助手として住み込みで働く」感じでした。あくまで助手なので、医療行為は医師や看護師が行いますが。
「24時間体制で病院にいる」ということは、自宅の仕事(家事・きょうだいの育児)が一切できません。
もし身近に協力をお願いできる家族や親戚がいれば助かりますが、私と旦那の両親は遠方に住んでいたり働いていたりするので頼ることができません。入院期間中は家のことを全て旦那に託しました。
私が病院で行った長女ちゃん(当時0歳)のお世話は…
- 食事を与える
- 身体を拭いて清潔にする(お風呂の代わり)
- 薬を服用させる
- 検温する
- 毎朝の回診で医師に子供の様子を伝える
- 別室で検査や治療が必要な際は子供に付き添う
- 症状に変化があればナースコールを押し看護師に伝える
- あやしたり抱っこしたり、自宅の育児と同様に接する
です。また子供が寝ていたり落ち着いている間に、自分の用事(食事、シャワー等)を済ませなければいけません。
トイレ等短時間の用事で部屋を出る際は、子供がベッドから落ちないようにベッド柵を高くしておいてサッと行ってしまいます。
食事を購入したりシャワーを浴びたりする際は、最短でも15~20分はかかりそうなので、ベッド柵を上げる+看護師さんに部屋を留守にする旨を伝えてから用事を済ましていました。
どうして子供の入院に付き添うの?
私は病院側から「子供の身体的・精神的なケアを充分に行うために望ましい」と説明されました。
低年齢の子供は慣れない環境下で治療を受けることに、多大なる不安を抱くでしょう。保護者の付き添いは、その不安を取り除く一助となります。
また病院からは言われなかったけれど、私が素人ながらに感じたことは、病院スタッフの人数や1人の患者にかけられる時間には限りがありますよね。激務の中、少ない人数のスタッフで入院中の患者をケアしている病院は多いのではないでしょうか。
子供が不安で泣いていても、あやしたりなだめたりする時間を確保することは、難しいだろうと思います。必要最低限のケアを行うことで精一杯なのでは…。
このような問題から「病院は子供の看護を一手に引き受けたくてもできない」現実があると感じています。
しかし保護者が24時間体制で子供の入院に付き添い、それが長期化することによってストレスや苦痛を伴う場合が多くあります。
付き添い入院は強制なの?
実は、付き添い入院は「病院側から保護者に要求してはいけないもの」なのです。
■「24時間付き添い」は法律違反なのか
かつて家族や民間派遣業者による付き添いの慣行があった。
だが、付き添いによる家族の身体的、経済的な負担を問題視する議論が起き、看護師の配置人数を手厚くした新しい基準が1994年に導入され、付き添いは「なくなった」ことになった。
ーー中略ーー
だが、24時間付き添いが可能になる根拠が別にあった。
病院が治療の見返りとして受ける「診療報酬」について、厚生労働省が都道府県に2年おきに通知している「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」という文書がある。
これにも「患者の(金銭的)負担による付添看護が行われてはならない」と書かれている。
だが続いて、こうも書かれている。
「患者の病状により、又は治療に対する理解が困難な小児患者又は知的障害を有する患者等の場合は、医師の許可を得て家族等患者の負担によらない者が付き添うことは差し支えない」
病院から付き添いを求めておきながら、付き添いは「家族が希望している」という格好の文書の記入を求めてくるのは、この一文が根拠になっているのだ。
看護師の配置人数を増やし新基準が導入された1994年以降、付き添いは「なくなった」とされました。
しかし現実は多くの病院が、『付添許可申請書』(名称は施設により異なる)に患児の家族が「付き添いを希望している」という格好で記入してもらい、患児の入院に付き添うよう求めているのが現状です。
子供が入院し治療を受ける = 保護者の付き添いが必須である
この構図は、「付き添い入院は強制だ」と言っているのと同じことでは?
これまで記事を読まれていた方の中には「付き添いが困難は場合は、相談すれば24時間看護の病院に紹介状を出してもらえるのでは?」と感じた方もおられるかもしれませんが、これは非常に難しいです。
少なくとも私の場合はNGでした。付き添い入院中に体調不良を引き起こしたにもかかわらず、です。
共働き世帯が多く核家族化が激しい現代では、「看てもらえるのなら24時間看護の病院が良い」とほとんどの人が希望すると思いますので、それが可能な病院に患児が殺到する可能性が高いためと考えられます。
しかし「付き添いがどうしてもできない!」というケースももちろんあると思います。
特に複数の子供を養育しているシングルマザー・ファザーの方々は、対応することが困難と予想します。さらに協力をお願いできる親戚が遠方の場合、その困難は増大します。
付き添い者に補助金はあるの?
付き添い者に対する補助は基本的にないようです。ただ子供が保険に入っていた場合、その補償内容によっては付き添い者の交通費等も支給される可能性があるので、もし保険に加入していたらぜひ確認してください。
患児の入院に関しては自治体から補助が出ますので、医療費が高額になることはほとんどないと思います。(ただし病院食代や、個室を希望すると差額室料が加算されます。)
私にとって想定外だったのが、付き添い者である自分にかかる費用でした。(予想以上に食費がかさんだ…。)
介護でも付き添い入院が求められるの?
付き添い入院を経た私は、区役所の保険福祉課に電話相談をしました。
その際に担当者が「子供のためだけではなく、介護でも付き添い入院が求められる場合がある。特に認知症を発症している患者に対しては、家族に精神的なケアをしてもらうために必要となるだろう。」と言っていました。
付き添い入院は子供の有無に係わらず、たくさんの人が直面するかもしれない問題なのです。
入院の手続きと同時に急ピッチで進めたこと
入院が決定したら何枚もの書類に記入する必要があるのですが、看護師さんがそれを用意してくれている間、急いで旦那に電話しました。幸いすぐに連絡が取れ、病院に向かってくれるとのこと。
また長女ちゃんを入院させるためには、急ぎ対処しなければいけない3つの問題がありました。
① 入院期間中の長男くんの預かり先の確保
私は第2子(長女ちゃん)妊娠をきっかけとして、長男くんを認可外保育園に預けていました。つわりで弱っており、活発な長男くんのお世話をすることが難しかったためです。
普段は週2~3回、午前中の預かりを基礎として保育を依頼していましたが、入院期間中は保育時間の延長と保育日数の追加をお願いしました。
② 入院期間中は旦那に仕事を定時で終えられるように調整を依頼
保育園の預かり可能時間は18:30までだったので、お迎えに間に合うように仕事を調整してもらいました。
③ 一旦家に帰宅し、娘&自分の入院バックを用意する
入院手続きの完了後、長女ちゃんと病室に移動し、旦那が病院に到着するのを待ちました。旦那が到着すると付き添いをバトンタッチし、自分は帰宅して入院バックを用意。
遅くなった昼食をかきこみ、病院に戻りました。
怒涛の展開ですでにフラフラです。
手順が分かっていたため、上記③は旦那不在のまま決行しています。
病室に移動後、自宅に一旦帰宅する旨を看護師さんに伝え、1時間半ほど長女ちゃんを見守ってもらいました。
あまりに長時間となると病院側もキツイと思いますが、必要な用事であれば部屋を空けることは可能でした。
入院バックを用意し病院に戻った後、旦那とどうやって入院生活を乗り切るか話し合いました。主には長男くんのケアについてです。
肺炎の入院期間は平均5日間と医師から聞いていたので、保育園にはその日数分の保育をお願いしました。突然夕方まで保育園に滞在することになり、長男くんはとても戸惑ったと思います…。
付き添い入院は患児にきょうだいがいる場合、きょうだいの預かり先の確保や精神的なケアも必要となります。さらに入院が長期化すれば、その課題を乗り越えることは容易ではありません。
患児の体調によって入院期間が異なるので、ゴール設定がしづらいという点も私は不安でした。
治療に集中してね☆
付き添い入院(1回目&2回目)
- 入院期間:5泊6日
なんとか根性で乗り切りました。
超個人的な意見ですが、平均的な体力を持つ30代半ば♀が耐えられるギリギリラインは5泊であると感じました。私は3日目あたりから体力的・精神的にしんどかったです。
【家族が崩壊しかけた】付き添い入院(3回目)
- 入院期間:8泊9日
医師が推奨していた入院期間は10泊でしたが、付き添い者である私が体調を崩してしまったため、9日目に断念することになりました。
「ネガティブな変化が見られた場合はすぐに連絡する」と約束し通院に切り替えましたが、退院時点で長女ちゃんはだいぶ回復していたため、その後何事もなく、なんとか乗り越えられました。
長男くんの体調不良
長女ちゃんの入院期間のはじめ頃、長男くんが手足口病に罹患してしまいました。
手足口病は、国による保育園や幼稚園の出席停止期間は定められていませんが、熱があればもちろんお休みしなければいけません。また食事が困難な場合もお休みした方がいいようです。
長男くんの症状的には、2日~3日ほど、保育園をお休みする必要がありそうで…。
旦那は普段帰りが22時~23時のところを、長男くんのお迎えのために定時で上がってもらっていました。長男くんの看病のためには休暇の取得が望ましいのですが、これ以上仕事の負担を増やせないとも感じていました。
どないしょ~。
病児保育は就業中の保護者が多く利用する印象ですが、たとえ専業で育児をしていても、何が起こるか分からないのが現実です。
いざという時のために、病児保育は登録だけでも済ましておくことをお勧めします!
FuFuの体調不良
入院8日目の朝、頭痛がして辛かったので、医師の回診があったときも横になっていました。
「外来受診しますか?」と聞かれましたが、私は片頭痛もちだったので「いつものことだから…。」と断りました。今思えばここで受診するべきでしたが睡眠不足だったので、その時間があれば少しでも休みたいと思っていました。
その日の20時頃、激しい頭痛がして悪寒が止まらなくなりました。危ない…と感じ旦那に電話しましたが繋がらず(長男くんのお世話で忙しかった)、パニック状態に。そのうち激しい吐き気がしてトイレに駆け込み、嘔吐してしまいました。少し眩暈はしていましたが、歩ける状態でした。
病室に戻る前、看護師さんに自分の体調のことを説明し「頭痛薬をもらいたい。」とお願いしたのですが、医師の診察がなければ無理とのこと。(そりゃそうだよね…。)看護師さんは体調を心配してくれましたが、夜は医師が不在でできることはなく、どうしよう…という感じでした。
付き添いができるのは私しかいない。しかし私は、体力気力ともに限界でした。
病室に戻り携帯を見たら、旦那からの着信がありました。状況を説明すると「付き添いを交替する。今晩は休んでくれ。」と言い、すぐに長男くんを連れて病院に来てくれました。
すでに面会時間を過ぎており、突然付き添い者が交代となる事態でしたが、他に選択肢がないので看護師さんに承諾してもらいました。
感染予防のため、病室に患児のきょうだいは入室できません。また夜遅くに騒がしくしてはいけないので、病院の玄関で交替し長男くんを連れて私は帰宅しました。
疲れていた長男くんはよく寝てくれました。体を休ませたかった私には、ありがたいことでした。
入院中止を医師に伝える
入院9日目の早朝、私は長男くんを保育園に預けてから病院に行きました。少し頭痛はするものの、一晩ぐっすり寝られたため、体調はだいぶマシになっていました。しかし、また入院の付き添いを再開できるかと聞かれると、「できる!」と即答できない精神状態でした。昨日の出来事がトラウマになっていたのです。
旦那は要領が分からず苦労したと思いますが、長女ちゃんに朝の食事や薬の服用等、お世話をしてくれていました。
咳、鼻水等の症状が落ち着きはじめ、おもちゃで遊ぶ長女ちゃん。その横で旦那と今後のことを話し合い、朝の回診で医師に「これ以上は付き添いが困難であるため、通院に切り替えたい。」と伝えました。医師は看護師さんから私が体調を崩していることを聞いていたようで、「本当はあと2日ほど病院で長女ちゃんの様子を見ていたいが、だいぶ回復しているし、事情が事情であるため仕方がない。」と了承してもらえました。
まだ安心とまではいきませんが、私は退院できることにほっとしました。しかしまた長女ちゃんが入院しなければならなくなり、今回のようなことが起こってしまったら…家族の負担は計り知れません。その不安を取り除くために、医師に確認したいことが2つありました。
質問1
付き添い入院によって家族が崩壊しかけた事実
長女ちゃんは入院し、治療を受けることによって少しずつ回復しました。入院初期は夜間も咳や鼻水がひどく、なかなか寝付けなかったので、看護師さんに処置してもらえて良かったです。
でもそれとは相反し、入院日数が増えるたびに私の体調は悪くなりました。3回目の入院ではストレスから嘔吐してしまい、それ以上付き添いを続けることができなくなったのです。
旦那は仕事と長男くんの育児を両立させて入院生活を支えてくれましたが、私が体調を崩してしまったので、夜間に付き添いをしなければいけなくなりました。その次の日は私が付き添いに復帰できるか不明であったため、仕事を休まなくてはいけませんでした。
そして旦那は私と付き添いを交替するために、寝ていた長男くんを起こして病院に連れてきました。環境の変化に戸惑うばかりだった長男くん。疲労も大きかったと思います。
このブログで先に述べた通り、私は「付き添い入院は強制だ」と感じています。
強制するのであれば、病院は付き添い者が体調管理できるような環境を整えることが、最低限の義務ではないでしょうか。
また核家族の育児は、突然降りかかった困難に対応するためには脆弱なのです。それが起こってしまう前に、いくつかのセーフティーネットを持っておく必要があります。
入院生活を支えてくれた大きな存在の1つが、保育園でした。患児にきょうだいがいる場合、きょうだいの預かり先を確保する必要がありますが、そのような緊急時においても保育園は重要な役割を果たしています。
病児保育と同様で、認可外保育園も事前に登録を済ませなければいけません。また保育園の方から慣らし保育の実施を推奨される場合がありますので、保育を受けるためには前倒しで計画を進める必要があります。
付き添い入院のなにが大変だったの?体調不良の原因は?
食事
私の食事は、ほぼ全て病院に併設されたコンビニで調達していました。週末に旦那が長女ちゃんの面会に来ていたので、その時にスーパーで買ったお惣菜を差し入れしてくれたこともありましたが、99%の食事はコンビニ。
病院には他にレストランもあったのですが、食費が高額になるため利用を避けました。
食事内容が偏らないように、お弁当だけでなくサラダ+おにぎりの組み合わせにしたり気を遣っていましたが、病院スタッフの方たちもコンビニを利用されているため、選べるほど商品が残っているわけでもなく…。
体調不良の原因の1つに、コンビニ食による栄養の偏り(野菜不足)があったと私は確信しています。
寝具がフィットせず睡眠不足
私が付き添い時に使用していた寝具は、有料で病院から貸し出されたものでした。
出典:https://momlife-creation.com/coop-kodomohoken/
このような簡易ベッド+布団のセットでした。ただ私の場合はベッドに敷く布団がもっと薄かったので、腰のあたりがたわんでしまい、安眠することができませんでした。ベッドにマットを敷いてフィット感をプラスすれば、改善される可能性があります。
生活リズムが乱れ疲労が蓄積
長女ちゃんの体調によっては夜中もお世話をしなければいけないため、長女ちゃんが寝ている時に私もなるべく寝るようにしていました。あまり眠たくない時も、体を休めるために瞼を閉じて横になっていましたが、眠たい時にお世話をする必要があったりして、疲労が溜まっていきました。
入院生活を少しでもラクにする方法
*提供している病院は極少数のようです。
まとめ
私が「ブログを書きたい!書くしかない!」と決意したのは、この付き添い入院の経験があったからです。
3回目の付き添い入院で体調不良を起こしたことと、家族がピンチを迎えたことは、私のトラウマとなっています。
付き添い入院についてのブログを検索すると、「入院に必要な持ち物」や「乗り切るために役立ったアイテム」を紹介するブログが多く、付き添いそのものが抱える問題点や苦労を書いた記事が少ないように思えたので、差し出がましいですが、問題提起したいという思いがありました。
体質なのか分かりませんが、長女ちゃんのように、肺炎を繰り返してしまう子供は一定数いるようです。
私と同じような経験をされた方のブログを1つ発見し、読ませていただいて「自分だけではないんだ。」と励まされました。その方は就業中に付き添い入院を経験、さらには退職を決断されていたので、私よりも過酷な状況であったと思います。
今後、付き添い者の環境が少しでも良くなることを切に願います。